Google Plugin for Eclipse (GPE) 2.4 のポイント

Google は 2011年5月10日付けの GWTブログで、 Google Plugin for Eclipse (GPE) のバージョン 2.4 で Google App Engine と Android アプリケーションの統合を進めることをアナウンスしました。

Google App Engine (GAE) というのは Google の Web アプリケーションのクラウドサービスです。 Python や Java によるプログラミングインターフェイスが用意され、 Google アカウントとの統合やイメージ処理用のライブラリの提供、スケーラブルな NoSQL データベースが利用できます。

尚、GAE での具体的なプログラミング方法については、 Google App Engine 入門を参考にしてください。ここでは説明しません。

今回の発表では、GPE v2.4 で含まれる Android アプリケーションと Google App Engine との統合について説明されています。

App Engine 接続型の Android アプリ開発支援

GPE v2.4 では、 App Engine-connected Android プロジェクトが作成可能となる予定です。 これを利用すると Android アプリから GWT RPC を利用するためのコードが利用できるようになるそうです。

GWT というのは Google Web Toolkit の略で、 Google App Engine と統合して利用可能な Google の Web クライアント開発用のライブラリです。 Java で開発したコードが HTML や JavaScript にコンパイルされる他、最適化も実施されるという大変優れたライブラリです。

GWT RPC は GWT で利用される、 いわば GWT での AJAX イネーブリング・コードともいうもので、 非同期でバックエンドのサーブレットの呼び出しを可能にします。

Android からバックエンドの Web サービスに非同期で接続する時には、非同期的な部分を自分で書かないといけないので少々面倒なのですが、 それがどれだけ簡略化されるか期待したいところです。

RPC のコード生成とツール

特に RPC のコード生成についても数クリックでそのボイラープレート・コードを作れるツールが提供される予定です。 RPC のコードを書くときにはある程度決まりきったコードを多数書く必要があるので、これはありがたいです。

ちなみに、そうしたツールを使わないで書くとどうなるか、ということについては GWT 入門の GWT RPCを参照してください。 生で書く方法を記載しています。

クラウドから Android 端末へのメッセージング - C2DM

ウェブサイトの更新情報を Android で認識するための仕組みとして、現在 Google は Cloud to Device Messaging (C2DM) を開発中です。

Android から更新通知を定期的なポーリングによって取得するのは、パフォーマンスが悪いだけではなくバッテリーを消費するという点で良くありません。

古い言い方をすれば、 C2DM はクラウドからデバイスへのプッシュ型サービスです。ただいわゆる従来のプッシュ型データ配信と違うのは、 C2DM は未処理のデータがある場合に小さいピング (lightweight ping) をデバイスに打つことができ、 デバイス側は必要に応じてそれに対するアクションをとれるということです。

App Engine-connected Android プロジェクトでは、 C2DM を利用するためのボイラープレートを簡単に利用できます。

GPE v2.4 は現在ベータ。興味がある方は試してみてはいかがでしょうか。私は正式にリリースされ次第試してレポートする予定です。

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